〜プロローグ〜
ノビタはしがない小学生だった。
成績も悪く、スポーツもダメ、同級生の巨漢と金持ちにいじめられ、
大好きな女の子からは馬鹿にされる学校生活。
家に帰っても居るのはヒステリックで金切り声をあげまくる母親と、エロ本を見てニヤニヤしている父親。
居心地などいいはずが無かった。
そして自分の部屋に引きこもり、恨み日記に今日の憎悪の日々を書き連ねる。
宿題はもちろんやらない。
これがノビタの暗い道を歩み続ける毎日だった。そこに明かりなど無い。
だが、不安を駆り立てるような雷雲がたちこめた黒き空が広がっていたある日の事だった。
学校から帰宅したノビタはいつも通り部屋に入ると、彼の体にピリッとくるものがあった。
もちろん雷ではない、だったら死ぬ、
というか部屋の中に落雷とか聞いたことない。
違和感・・・・・・・・・・・
ノビタは第六感ともよべる感覚を体で感じ取ったのだろうと、ふいに思った。
なぜそんな突拍子もない発想が浮かんだのかはわからない。
いや、心当たりがあるとすれば、ノビタは小学生自己啓発セミナー(会費5万)で
「クミ&エミリー神」への祈りを毎日する事が才能を開花させる、と学習し、
毎日「3回まわってニャン!」という専用の祈りを続けていた。
だからこそ才能が開花して第六感を得たのだろうとの発想が浮かんだのだろう。
(余談だが小学生自己啓発セミナー開催者の豊臣べんぞうは詐欺、強制わいせつ容疑で逮捕されている)
彼は体に伝わる感覚が机につながっている事を実感。そこにこそ神の救いがある、
との何の証拠も無い確信で、その体を机に近づける。
「感じる、ここから感じるよ・・・力を!!!」
もう誰かに聞かれてたら人生お終いなセリフをでかい声で漏らし、とうとう机の引き出しを開ける。
ガラッ
その直後ノビタの顔はみるみると青ざめる。
神の救い、もしかしたらそうなのかもしれない。だがまさか思わなかっただろう、そこには一丁の拳銃があるなど・・・
「これは・・・・・僕に、死ねと?」
死こそが救い、苦しみの世からの救い、セミナーで講師が言っていた
「まあ人生駄目だと思ったら一旦死んで来世で生きちゃいなよ」
との言葉を思い出したノビタ。窓の外は雨が激しく降り注ぎ、雷鳴が鳴り響き、
次の瞬間には雷鳴とともにピシャッと光る。
まるで逃げ場が無いかのよう、そう、死へと追い込んでるかのようだった。
ノビタはなにかに乗り移られたかのように拳銃を手に取る。そこには先ほどの浮かれ気分は無い。
意外と重量がある拳銃の重さを彼は呆然と感じていた。
死ぬか、死なないか。
選択の時は迫られて・・
「小僧!!なに人のチャカに触ってやがる!!殺すぞ!?」
突然のドスのきいた声にきづいたのもつかの間、恐ろしいまでの衝撃がノビタの体に伝わり、
いつの間にか吹き飛ばされていた。押入れに激突したノビタには何が起きたか分からず、前を見
「ってヒィィィィイーーーーーーーーーーーーー〜〜〜〜ッ!!!!!」
絶叫。だが普通なら当然か。
そこに居たのは2メートルはある身長、素晴らしいまでの筋肉、なにより全身が青いという謎の生命体なのだ。
それでいて鈴のついた首輪という変なギャップ。
ノビタは相手の恐ろしい形相に震えて、声も出なくなった。
それを見た青い生命体はフンと鼻で笑う。
「テメエか?この怒羅衛門様を呼んだのは・・・」
続く
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